別府は良いところなんですが。
レイシズムの問題は、日本人にはとても難しい要素を含む場合があると理解はしている。
ワタクシの身近なトコロで例えるとするなら、↓こんな感じ。
大島紬は胴裏を触る前に手を洗わねばならない。
染色の方法として、泥染めや藍染めの場合は仕立てている手に色が移るからだ。
仕立ての指導者としての立場にある時、白い布を触る前には手を洗うように言い続けた。
黄色人種の肌は黄色みが強く、染料が手に移ってても気付きにくい。
汚れていないと思っても白糸を玉止めすると色付きの玉止めになったりするのだ。
ワタクシはこの場合の「必ず手を洗ってね」は差別ではないと思ってる。
が、コレを同じ調子でアフリカ系人種に言った場合、アメリカでは差別発言と受け取られかねず、ポリコレ棒で「この人種差別主義者が!」とぶっ叩かれる可能性もある。
何故そう受け取るのか?と不思議に思い首を捻るコトも多いポリコレの謎行動は時として興味を引くが、批難対象となった場合には、言葉が足りないとか悪気は無かったでは済まされない。*1
別府大分毎日マラソンでの通訳女性の差別発言を目にした。
今回のチンパンジー発言は、小学生が特定の動物に似てるとかの理由で仲間内の友人にあだ名をつける感覚だったのかもしれないが、通訳の大任を引き受けるような知性と教養を備えている(はずの)オトナが、相手国で選出された国際レースの招待ランナーを表現する内容ではなかったように思う。
そしてあり得ないとは思うが、たとえ相手が「ぼくをチンパンジーと呼んで!」と言っていたとしても、注意深く対応するのがホスト国の姿であってほしいな、と思う。
ワタクシ、英語も喋れないまま北米に住んで2年半。
ESLでお世話になってるポールとエスターは白人だけれど、言葉の通じないワタシのコトをニホンザル扱いはしないし、こちらで出会ったアフリカ系のヒト達はニューカマーに対して常に笑顔で理知的。
第2次世界大戦の戦争犯罪について、校内唯一の日本人であるムスメは授業中に差別的な批判を受けたし、現地在住の日本人永住者の中には米人から「日本人を嫌っている」と言われた友人もいるが、発言した生徒はUSヒストリーの先生に窘められていたし、ここで出会った大半のヒトはそれぞれの立場を理解し攻撃的な態度を取らず、融和的な社会を歓迎していると思える。
おそらく日本にいる日本人の多くも外国人を迎える時にはそうだろう。
このボランティア女性の個人的配信は、悪気はなかったらしいコトこそが、多くの日本人にショックを与えたんじゃないかと思う。
日本はこれから移民(移民ではないらしい)を公に受け入れる国家に変容していく法案が通ったが、これから先のツッコミどころ満載感に、本気で不安しかない。
*1:実際に以前住んでいたコンドで、アフリカ系の男性が屋内配線工事をしに来た時、オイルで手が汚れたまま白い壁を触ってしまって、黒いシミを付けたまま帰ってしまった。
文句を言う事はなかったけれど、残念に思ったコトは間違いない。
仕事をする以上、手を洗うもしくは汚れによる再汚染を常に気にすることは、人種を問わずに必要だと思っている。