お針子 作業部屋

  お針子 in U.S.A

夏の話を終える前に冬が到来・・・

アメリカに戻ってムスメはG11になった。
コチラで言うトコロの受験生ですが、本人全く緊張感のない状態。
こんなことではあかんのやで!!

日本のニュースを検索すると高波ばかり。
ワタクシがここのところで一番気になるのは入管法改正案。改正入管難民法
(いわゆる外国人労働者受け入れ法案)


アメリカにしか申請したことがないので他の国のコトは分からないけれど、外国で働く(オットが)にあたって必要なモノはたくさんあった。

まず査証。
就労可能なVISAを受け入れ国に発行して貰わねばならない。
就労VISAは、どんな職種で、どのように収入を得るタイプの業種かによって発行される内容が変わります。我が家の場合は企業内転勤のL1(オット)とL2(ムスメとアタクシ)Eビザです。(事前にLと聞いてたのだけど、Eになったらしい。パスポートを確認したらEだった。赴任帯同の奥さんも現地で就労可能です。*移民局に申請は必要)

申請に必要なフォームは会社側が準備し記入の指示をしてくださったが、個人記録を所管の役所や本籍地から取り寄せたり、指示された内容に沿って詳細を記入したりするだけでも結構な量。
(オットが出発後に結局帯同するコトになったので、会社とのやり取りだけでも相当疲れた。担当してくださった方には感謝しております)

VISA発給の為に必要な書類が揃う段階で大使館での面接を予約。
指定された日時厳守で、パスポートと全ての書類を揃えて大阪北区の在大阪・神戸米国総領事館に面接に向かう。
大使館前にはもちろん警官(か機動隊かわからないけれどもマッチョな大阪府警の男性)が保安要員として配置され、セキュリティゲートで手荷物は厳重にチェックされる。

以下、大使館への持込み可能なもの

携帯電話1台
手持ち可能なバッグ1点(25cmx25cm以下)
ビザ申請関連書類が入った透明なクリアフォルダー
傘、ただし荷物検査前にセキュリティゲートの外の傘たてに置くこと

上記のように入館の際は持ち込み荷物のサイズも限定されるのだが。
25×25て?厚みは??持ち手は別やんな???
なんて質問出来るワケもなく。

自宅から大阪はそこそこ遠く、ケータイは右のぽっけ、財布は尻ポケットてなスタイルではない母子は、持ち込み可能な手提げには入りきらない大荷物を梅田駅のコインロッカーに預けた後に、大使館まで徒歩。
持ち込み可能手提げにA4クリアファイルを縦に入れようと思ったら、持ち手はそこそこ長くないと持てない・・・
小雨の降る中、御堂筋を南下。
手提げに入りきらないファイルをのぞかせ「今からVISA申請に行きますよー」と無言でアピりながら。

面接は、コチラが英語ができない状態でも英語で質問される。(違う場合もあるらしい)
いまも出川イングリッシュを振りかざすアタクシ。
当時はもっと意味不明の謎言語を垂れ流していたハズ。
あの応答を理解できたあの男前な面接官は、確実に日本語の出来るヒトだったと思う。

書いてない部分も多くあるけれど、大まかにこんな感じ。
企業内転筋で、ある程度フォローしてもらえて自分に負担の少ないタイプの申請でも相当煩雑。(書いてない部分に、会社とのやり取りの煩雑さ満載)
そして渡米後は渡米後で、自分のSSNだの ムスメの為に(親の)ITINが必要だったりと、申請書類地獄はしばらく続く。


今回日本が向かう移民受け入れには、これらの手続きに応対する日本人がたくさん要る。
まず現地の大使館や領事館で発行の為に人員が必要。
そして受け入れ国側の人間もその都度必要。

良い意味でも悪い意味でもJAPANを知ってるヒトは多い。
けど、日本語は世界共通の言語ではないから「日本ではJAPANはNIHONって言うねんで」と伝えるとまず驚かれる。
日本って、そのレベルなんやで?

渡航してこられる外国のヒトは読み書きはもちろん、聞くコトも喋るコトもほぼできないか、良くてカタコト、意思疎通は英語などを介さないとほとんどできないと思われる。
教育や医療においても言語の通じない現場での混乱は想像に易い。


自分がよその国でいろんな現地のヒトに迷惑をかけ、お世話になりながら毎日感謝し、嬉しいコトも悲しいコトも不満なコトもたくさん抱えつつ、それでも元気でいられるのは、収入がそこそこあって人並みの生活が出来、言語不自由者にも対応ツールもあるから。

アメリカという国は多民族国家だけあって受け入れ態勢がそれぞれに整っていると思う。
教育で言うならば言語不自由者に対し、教育課程や教会ボランティア、または有償のESL・ELLといったクラスなどが準備されていたりするし、医療現場においても各言語話者の通訳サービスがあったりする。(ネット利用による医師・患者・通訳の三者通話)

アメリカの高い医療費は有名だけど、どれくらい高いかと言うと、例えば歯医者。
渡米して一年でムスメはC1〜C2が10本に増えていた・・・orz
定期健診と歯の治療の支払いは1000ドルを超えました。コレは一年で1500ドルまで使える保険を使いきって‘更に’1000ドル超支払ったというコト。


今年6月末にムスメはビーチを歩いていて足の裏を負傷。
Urgent Careに駆け込む。
(かかりつけの病院が移転してしまって、ホームドクター難民状態だった時のコト)

病院で聞かれたのは
「見えないけれど、傷の奥に何らかの異物が入っている可能性がある。
あなたには3つの医療プランがある。
レントゲンを撮って異物を確認し、切開して異物を除去してから縫うか
レントゲンを撮って異物の無い事を確認し、傷を縫うか
レントゲンを撮らずに傷を縫うか

レントゲンを撮らずに閉じた場合、化膿したらまた来て」

四つ目あるやん・・・と肩を落としつつ、レントゲン撮ってもらうことを選んだのは言うまでもなく。
レントゲンを撮って小指の爪の半分くらいの大きさの貝殻(入ってました)をほじくり出し、3〜4針ほど縫い、化膿止めの飲み薬を2種類処方して貰った。
傷口に貼る保護用パットは2枚ほど貰えたが、あとは薬局で自分で購入。

3日後に化膿してないかを確認の為、来院。消毒のみ。
更に2週間後に抜糸。

この三日分で医療費はトータルで300ドルを超えた。
健康保険を使った上でのこの値段。
現地の友人によると「レントゲン撮って300ドルはかなり安かったね!」らしい。


アメリカの医療保険は日本のような皆保険(国民健康保険)ではないので、それぞれに保険システムは違うけれど、医療保険(健康、目、歯)の3つは入っておかないと とんでもないことに。
と言うか、病気になったら医療が受けられるようにしておくことが求められる。
(ウチは企業内転勤なので企業のバックアップがあるから探さなくても入れるけど、個人留学などでは海外保険に医療保険を付けるなどして入らないとダメと言われるらしい)


しかし日本の医療を支えるヒト達の混乱は想像に絶する。
日本の場合、「医は仁」のイメージだから診るしか選択肢はないでしょう?

アメリカと同じシステムならば、移民のヒト達は個々に医療保険に加入せざるを得ないし、治療の選択は自己責任。
日本の医療システムは世界一!と両手放しで喜ぶヒトは多いかもしれないけれど、それって有限だから。
まずは手厚さに報いる支払い部分は全くもって比例していないと気付かないと。

そして実は、更にもう一つ入ってないとダメな保険が。
家屋の保険に入っていないと、賃貸契約が結べません。
ウチの場合はカード会社の海外赴任家族用の保険にオプションでつけました。

自分の持ち家だと家を建てる時に団信だとか、そうでなくとも火災保険とか地震保険とか入るけど、賃貸だと保証人が立つから保険に入らなくても契約成立。

保証人を立てられない外国人用に保険制度を立てるべきですな。(怪しげな奴ではないやつ)

移民が受け入れられる制度が一定以上に整っているアメリカでは、家主や地域コミュニティ、医者、学校それぞれに、与える側を守るシステムがある。
訴訟社会であると共に、明文化されている。
言語や習慣の違う人々が集うなら、ソレが当たり前であるとワタシも思う。

生活基盤を一から構築せねばならない単純労働者を日本に迎え入れて、まずパンクするのは、その場で働く日本人、受け入れ態勢を取る末端のお役所、そして生活範囲の被る同じコミュニティの市井のヒトです。


あと、余談ですが。
アメリカでの会社の年末調整。メンドクサイです。
日本にある資産など、塩漬けにしてる状態のモノでもその年の不労所得は利息まで会社に申告して年末調整を受けるコトが必要。(数年前に現行法になったらしい)
マネーロンダリングを警戒しているアメリカの法に従って、日本の会社は赴任者に不正のないよう指導してきます。ありがたいやらややこしいやら・・・
そういうとこまでガッツリしっかりやれるだけ、法改正は間に合いますか?
フォローすべきは第一次で接触する人々で、そっちを後回しにしないといけないほど外国人労働者確保が大事なんかな。

人手不足を理由にするには、まだまだ説得力が足りないし、策も講じてないと思う。
外国人労働者に対する処遇を民間に丸投げする前に方策を練り、締めるところを締めてからだと思う。


と、在外邦人がど田舎で声を荒げても日本には届かない。



随分と英語の聞き取りや会話が出来るようになってきたムスメですが、移民法が変わることによって、これから先の日本はどういうように変わっていくのだろうかと漠然とした不安ばかり。

どんなふうに世の中が変わったとしても、不器用なんであるがままにしか生きられへんから考えても無駄かー。