お針子 作業部屋

  帰国したお針子です

クマの話

今日は午後からムスメの個人懇談。
なんちゃら週間?(芸術に親しもう的な)で、粘土工作の展示もされている。
夏休み前の懇談で毎年 催されている行事だ。

キャンプ場のモヤモヤを抱え、全くはかどらない仕事に嫌気がさしていたので、
気分転換を兼ねて午後の準備とばかりに眉毛を切っていたら、
なんか手元が狂ってザバッと・・・

現在一部分ハゲております・・・(TT)

うまくいかない時は何やってもダメだぜっ!!


そうこうしてたら「急ぎの品なんだけど〜」と電話が入った。
この時期は毎度のコトなんだけど、浴衣。
そりゃ急ぎだワな。

こんなコトではいつまでたっても自分のコトにまで手が回らない。(;;)



話は変わるけれど。
書こうと思ってた内容について、他のヒトとかぶるコトが結構ある。
丸かぶりではないにしても、なんか関連性があったりする。

思案してる件について特に採集してるつもりもないのに情報が集まったり、
思いもかけないようなトコロからヒントを得たり、
そういうシンクロが起きる時って、何かの力が働いてでもいるのかな〜。


今回のは本当に大したことでもないのだけれども。

先日テレビで「通販で失敗しないコツ」特集をやっていた。
その時は、ふんふ〜んみたいに見ていた。

その日、ムスメの小学校でお世話になってる女性の襦袢の袖丈直しを納品した。
その際に
半襟、今お持ちでしたらついでに付けときますけど」と言ったら
ものすごく感謝された。
「コレつけよと思ったら、半日仕事なのよね〜」と。

さすがに誇張だとは思うのだけど、半襟付けは案外めんどくさいコトの一つのようだ。


また、
ムスメが1歳くらいの時なのでもう何年も前の話なんだけども。
着物地でクマを作っていた。もちろん趣味で。
体長5〜6㎝のクマは、ほんのちょっぴりの残布で出来上がる。
時間は、布選びから仕上がりまでで3時間くらい。


そのクマを見た、当時ウチに来てくださっていた保健婦さんが、
「わたしにもできるかな〜」と。
簡単ですよ〜と言って、日時を決めてウチでチクチクやるコトにした。

終わらなかった・・・
午後から5時間かかったけれど、パーツはバラバラのままだった。

何より、縫った目がジグザグで大きすぎて、ひっくりかえらないのだ。
*1
縫うモノや、その部分によって求められる技術を、見たら理解できるものと
完全に見誤っていた。


縫い目と言うのは、なかなかヒトそれぞれであるのだけども、
ワタクシの周囲のヒトは、器用なヒトが多かったのかもしれない。
*2



ココで言いたいのは、世の中に出回っている縫製品と言うモノは、
それを手掛ける個人の技量によってかなりの当たりハズレがあるということなのであります。

自分の物を自分で作って自分が使う分には、何の問題もありません。
ただ、モノづくりにはそれに最適な機械や、道具や部品があるのです。
縫製品に関わらず、それを持たない素人が その製品を必要とした時、
当たりを掴むかハズレが来るか、比べるコトのできない場合は
どうしようもない運なんだな、と。


よく使う通販で、同じデザインのシャツを色違いで購入しました時のコトです。
ブルーのシャツは生地の釣り合いも良く、シャキっとした出来上がり。
対して、白いシャツは、アチコチで生地が歪んでいて、縫い目もホツレばかり。
一度洗うと、びっくりするほど差が出ました。
白シャツはイマイチなヒトの手だったんだなーと、あきらめるより他ありませんでした。
品によりというよりも、ヒトの手次第なんです。
*3



まだ脳みそが職人のままだった頃のワタクシは、クマの件で思い知りました。
職人と言うモノは、自分を基準にしがちなんだなぁと。

それを販売目的で作ったり、その道のプロだったりするならば、
基準は指針だし、クレームは肥やしだけれど、
そうでないヒトにとっては余計なお世話だったり、苦手意識の烙印にほかなりません。

それからというもの「大丈夫!簡単です」の言葉が簡単ではなくなったワタクシです。(^^;

*1:体長5センチだから、一つのパーツは大きいものでも3センチ以内

*2:学校も服装科で、職業訓練は和裁のプロばかり。母は洋裁の仕立て屋だったし、義姉も家庭科の先生だ。女は縫物が得意なのが当り前だと思っていた節がある

*3:通販の口コミや評価は、良いコトも悪いコトも正直に書いてあるべきモノだけれど、業者の思惑に操作されてたりするコトも少なくないようです。使うシーンで自分を基準に考えて購入するのが一番のようです。書いてあるコトを読み解かずに購入してしまい、大失敗多数のワタクシが言っても重みはないですね(^^;