お針子 作業部屋

  帰国したお針子です

うだうだとした忘備

今日はNさんとランチの約束をしていたが、そこのお宅の娘さんが体調不良でお流れになった。

Nさんは結婚して永住資格のある日本人で、娘さんがウチのムスメと同い年。大変優秀。

ムスメとは違うハイスクールだが、学校のシステムなど不明なコトばかりだった頃に手取り足取り教えていただき、大変お世話になった。

 

今週末はムスメの英検受験の為に、Noviまで出かける。

100キロ以上で走行しても2時間以上かかる距離なのに、週末は雪で荒れそう。

TOEFLはまだまだ受けられるレベルに達しておらず、受験料も高いので まず英検。

年に3度しか機会が無いから、時間の余裕のある時に受験しておこうかと。資格が腐らないし。

しかし本当に必要なのはTOEFLなので、コレは今年中には一度、必ず受けなければならない。

ムスメが帰国後の進路をどう選び、どのような形態で受験するかが一番重要なのだが、本人は渡米してきた中学2年生の意識のままで、日本で生活していたら自然に伴うはずの受験生の意識が全く欠落している。

コレはアメリカの大学受験システムが日本と大きく異なるからだと思う。

 

アメリカは高校までが義務教育で、卒業後は働くヒトも多いし、近場のコミュニティカレッジで単位を修得して学費を軽減させてから大学編入を目指すヒトもいる。*1

日本の大学はアメリカに比べて学費が安いし、基本パック料金なので単位ごとの履修で学費が変わるイメージが無いが、こちらは高校在籍中から大学の単位を先取りして学費を安くあげることも可能。

ハイスクールの授業は単位制で、基本は大学の履修と同じ仕組み。

生徒個人がスクールカウンセラーと相談したりしながら取得する教科選択をして履修届を出し、翌学期の時間割と卒業までに必要な履修単位を組み立てる必要がある。*2

G5、G6(トレイル。小学校5.6年生)やG7、G8(ミドルスクール。中1、2)の段階で単位ごとのスキップを打診され、飛び級でG9以降(ハイスクール1年で日本の中3)の授業を受けられる。*3

単位のスキップ履修のために、その時間帯には上の学年の校舎にスクールバスで移動したりするのだ。*4

高い意識をもって臨む必要のある全米の有名大学を目指す場合は、当然の様にアドバンスの授業を選択するし、その場合はG7、遅くともG8の頃から取り組まねば無理かも。

そういう気持ちのないまま、ぼんやりと授業を受けていたとしても、義務教育なのでACTとかSATの試験日はカリキュラムに組み込まれているし、受験しなくても高校は卒業できる。*5 

反面、向学の意識のないままでいると、学校の先生はおせっかいなコトはしない。

とにかく卒業させるだけ。当然だ。義務教育なんだから卒業させないコトに利は無い。

将来の選択はすべて自分や家族次第で、どう学びたいか、どの進路を選択するかについては、「何とかなるだろう」なんて甘えた気持ちでいるとアドバイスすらも貰えない。

アメリカのハイスクールの先生は日本の大学の先生と同じで、自分の持ち場以外は不可侵なんである。

 

 ACT/SAT・GPAのスコアとエッセイで行きたい大学を受け、上手く合格したとしても高校までの知識量によって大学で学力格差に悩むコトになるので、大学受験を前提とした義務教育期間を過ごさなければ、高い学費を払っても最終学歴を得られないコトになりかねないらしい。(とNさんが言っていた)

日本の大学を帰国枠で受験する場合、高校の最終学年を含む2年以上の海外校在籍履歴が必要だったり、SAT○○○○点以上、TOEFL○○点以上のように受験資格として公的な成績が必要だったりと、学校によって必須条件がマチマチ。

とりあえず学校の授業だけでもGPA4(成績が全部A)に近いトコロを目指して卒業しとこう!と言うのでも、SATの点数があるコトと英語検定の点数で基準以上であれば、日本的受験ならばなんとかどこかに引っかかってくれるんではないか、と甘い考えでいるのだが・・・。

 

かつて自分が在籍してきた小学校中学校高校の先生方は、あの時どんな気持ちで生徒たちに接していたのか。

ムスメへの、実質的な進路指導をしてくれる指導者の存在しない今、毎日毎日 考えさせられる。

 帰国子女と呼ばれるコトから逃れられないならば、隅から隅まで利用させていただくくらいのつもりでいないと、この劣勢は立て直せないと考える一方で、大学受験のお膳立てまで親がする時代になったか、と思わずにはいられない。

*1:この学区には世界的企業の本社があり、その影響かスパニッシュとチャイニーズが多い。日系企業もいくつかあるので常に何人かの赴任家庭の子供たちが在籍しているが、基本赴任者なので、5年未満で帰国する。日本人で永住権を取るヒトは多言語話者の中でもごく少数

*2:ウチのムスメの場合は、いまもELLクラスなので担当教諭が居る。そして履修届もこの先生がまとめて提出してくれている

*3:もちろん優秀な子供の場合はGIFTED CLASSというのがあって、小さい時から学年ごと飛び級の子もいる。

*4:そんな理由からトレイルからハイスクールまでは同じ敷地内の場合が多い。同じ敷地内と言っても広いので、5分間休憩での徒歩移動は不可能

*5:ウチの地域はSAT。だけれど、アドバンスを取る生徒の為なのか、ACTの傾向と対策クラブみたいなのもある