お針子 作業部屋

  帰国したお針子です

リスとの闘い

竹有上下節 松無古今色 

昔のヒトは上手に言うなぁ。
この知性を自分が得られるコトはないと思うから、触れて楽しむ。
ただそれだけで自分にも徳があるような気がしてくる。(凡人極めとる)

一本の竹は節によって上下が判る。
節度をもって立場をわきまえてこそ一つの秩序が保たれると言うもの。
翠をたたえる松はその時々によって色を変えない。
どこでも何にとも比較せず惑わされずに変わらない心で過ごしたいもの。

いろんな意味や立場に置き換えられる良い言葉やなぁ。


11月後半からは雪が積もることも頻繁になってきた。
灰色リスはますます肥え、シマリスは冬眠に入ったのか姿の見えないこの頃。

庭のバードフィーダーを吊るした金属製の棒(1.8mほど)にリスが登る。
名前のごとく鳥用のエサ入れなんだけれども、リスがこれを狙うのだ。

全長(しっぽ除く)25〜30センチ程度の灰色リス→登る
         15〜20センチ程度の赤リス→登る
         10センチ程度のシマリス→登れない

一度シマリスが飛びついて半分くらいまで登ったのを目撃したが、むり!と思ったのか、その一度だけ。

そこで平たいプラスチック製のパイロンを使ってネズミ返しを作り、棒の上から三分の一あたりに付けてみた。
するとネズミならぬリスを見事に返した。

もともと吊るされたバードフィーダーはスズメくらいの小鳥なら軽いから止っても揺れないが、ブルージェイやカージナルは九官鳥くらいの大きさなので、大揺れする。

見た目に華やかな鳥を傍で見たくて、四点支持で吊るす四角い木枠タイプのモノをもう一つ設置してみたところ、大き目の鳥達も止まって食べられるようになった。

すると今度はまたリスが・・・
折角カージナルたちが飛来するようになって喜んでいたのに、カーテンを開けたら、リスが木枠タイプの餌箱に座ってこっちを見ていた。

言いようのない アンタじゃない感。

パイロンは柔らか素材だったので、どうしても食べたいリス達は、力づくでパイロンを押えて一番上まで登りきるようになってしまったのだ。

灰色リス→登る
赤リス→登れない

体格に差が出たようだ。

しばらくは見つけるたびに脅して退かせていたが、家の中からでは手足出せないことを知ってか、灰色リス達はますます態度が大きくなっていった。
心の狭さを自覚はしていたが、この時のワタシの狭さたるや!
柔らかパイロンに代わる素材探しを心に決める。

ブラックフライデーの夕方で雪の降る中、園芸用品店に立ち寄ってついに発見。
直径40センチくらいで透明プラスチック製のハンギングバスケット。
赤札で1つ2ドル。
コレを二つ握りしめ、レジに向かう。

「楽しいサンクスギビングを!!」
と声を掛けられ

「さんきゅー! アンタもやで!」
と微笑みながら、リス返しで頭がいっぱいのワタクシ。


雪の降っていない11月末の午後。
リス返し装着。

以来一度もリスには破られていない。
さっきリスが飛びついて登り出したが、今度は径が大きいため端に手が届かず、力業で登るコトもできない模様。

ふっふっふ
ふっふっふ
ふっふっふ


鳥なら良くてリスではアカンのか。

松無古今色

・・・ワタシがその境地に達することはなさそうやな・・・