お針子 作業部屋

  帰国したお針子です

アメリカの夏休みについてのお話。

今回の一時帰国での夏休みの自由研究ネタについて。

アメリカで通っている日本語補習校では、高校生にも自由研究が宿題として出された。
もちろん普通の学科の宿題もあった。
「夏休みは長いので、手間と時間をかけて研究してください」だと。


アメリカ現地校の夏休みは、6月に学年末を迎えるので日本の春休みの位置にあたる。
もちろん春にも春休みが10日くらいあって、夏休みは6月10日くらいから8月下旬くらいの2か月半ほどある。

現地校も補習校も夏休みは確かに長いのだけど、いまもELLクラスのムスメには、そのクラスの夏期講習が10日ほどあったし、日本に帰国すれば30日間猛ダッシュ状態なので、自由研究の題材を腰を据えて考え、実行する時間はない。
また、アメリカの各学区ではSummmer Campと銘打っていろんな催しがあるが、高校生を対象としたものは少なく、更に言うと日本的な自由研究の題材になり得るモノは皆無である。

大学主催で、有料かつ、事前選抜のある実習体験モノはあるみたいだが、完全に英語でのディスカッションが必要なタイプなのだ。
英語がリミテッドな家族ではたとえ参加の意思があったとしても、満足な結果は得られそうにない。

アメリカの高校生が長い夏休みの間にすることは、普段からやってるバイトの他に、大学の下見ツアーに行ったり、ボランティアやクラブ等の活動、免許の教習所など(16歳で普通免許が取れるから)のようだ。
お金にも余裕のあるお宅ではSATの集中講習(塾のようなモノ)を受けたりしている。
とにかくアクティブ。
こう言っては何だが、日本の高校生よりも切実に自分の将来を考えている気がする。
おそらく大学の学費がべらぼーに高いことも理由の一つかもしれない。
アメリカの学費ローンは日本の返済型奨学金の何倍も高額)


年間を通して‘やらされる’タイプの宿題は、学期内のホームワークやクラスワークのプロジェクトが主で、長期の休みに生徒個人に出される宿題で保護者にある程度の補助を期待するモノはほぼない。
高校生は、もうオトナの入り口に立っているのだから、全てが自主性と各家庭環境の許す範囲に任せられる。
一昔前の日本だって、そんなカンジだったと思うのだ。

これに興味がある!とか、こうしたい!と願うものがある子供は幸いだ。
「ソレは終わらせることに意味がある」と、どれだけ理性ではわかっていても、興味が無かったり意義を見出せない物事に対してやる気も目標も持てないのは大人も同じだ。

ちょっと高度で難しい内容を「高校生に相応しい題材」と考えるのではなく、その年齢に相応しい社会貢献や自主性を重んじた気付きなどこそを自由研究と思ってもらいたいと、切実に思う。