お針子 作業部屋

  帰国したお針子です

読書感想文考 今日も意味なく長い

芥川賞受賞で一気に露出が増えた感のある又吉氏。

彼が先日「夏休みに学生に読んでもらいたい本」として三冊上げていた。

中学生「月の砂漠をさばさばと」

月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)

月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)

高校生「漁港の肉子ちゃん」

大学生「告白」

これ、どれも読んでないけれど
どれも物凄く興味の湧く勧め方をしていたので読んでみよーっと。

湊かなえさんの「告白」は読んだ。
告白って言葉の意味自体が、秘密と対になるようなものなので
そもそもお天道様の下にさらされて、まっさら爽やかな状態を表す言葉じゃないだけに
キャッチーだ。

告白繋がりで告白しますが
実はワタクシ、高村薫さんと北村薫さんを混同しておりました・・・
マークスの山」書いた人は女のヒトのハズなのに!状態でした。
わははは。いやーね(^^;



さて。
又吉氏が、雑誌ダヴィンチで連載していた(今も?)本の紹介コラムが好きで
文庫まで買ってしまった。
けしてその作者や内容に負担にならないような面白い切り口で書かれてます。

一歩下がってぐるりと見回って、気になるトコロがあれば、
ソコ一点をじぃーっと見つめて愛でるような。
土俵上でがっぷり組んだ取組で、双方の力士は止まってるんだけど、
全力で止まってるような。
ソレとない言い回しにいろんなものが詰まってると想像するのも楽しく感じる。


夏休みを迎えたムスメの宿題の一つに、定番の「読書感想文」の文字が。
中学一年一クラス40人全員の読書感想文に目を通す担任の苦労は計り知れない。
せめて読める字で書き込んであるならともかく、推敲もろくにせず
「めんど臭〜い」と原稿用紙から異臭が漂う様な書きなぐり文章がほとんどだろう。
自分を惹きこんだ魅力の伝わる感想文はあるだろうか。


ワタクシ自身は学生の頃、読書感想文に対して苦手意識が少なかった。
たぶん手当たり次第にいろんな本を読んでいたからだと思うのだけど
自分の書いた読書感想文を読んで、内容に魅力を感じるコトはないだろうなぁ。


最近、そう言えばアレってどんな内容だったっけ??と思い返すコトが多い。
本に限らず映画もそうなんだけれど、
やはり読書ノートや映画ノートって大事なんだなぁとシミジミ。

高校の頃ならば、多い時にはそれこそひと月に20冊くらい読んでいたハズなのに
もう一度読んでみようにも、目の疲れがひどくて本を長時間読めなくなったので
若い頃には思いもしない理由で、本との距離が開いてる。



又吉氏の受賞の話に戻るけれど、
彼にとってこの受賞は大変名誉なことであるには違いないし
もともと彼の書く文章に読みやすく受け入れやすい印象を持っていたワタクシは
受賞を単純に喜んでいたのだけど、ご本人の気持ちとしてはどうなんでしょうね。

そこ(タイトル)を目指す人がいて、筆に命をかけようとする本職さんがいる中で
己がその門を押し開けた。

そもそもソレで食べていけないヒトはみんな二足の草鞋のハズ。
なので、二足の草鞋それそのものに大きな問題はないです。


又吉氏、人並みではない読書家らしいので、スタンスはそれこそ
清濁併せ呑むってカンジではないかと思います。
だからこそ。
自分が受賞してしまったからにはその文学賞について何か言うなんてコトは出来ないと
考えているのかもしれない。

この先にも、
読んで心地良く、クスリと笑えるけれど ちょっと切ない
そんな文章をいっぱい残してもらいたいなぁ。

ファンだと言いながら、文庫派なので、件の受賞作はまだ読んでないんだけどね。
ファンだけど新刊は買いません。早く文庫にならないかなぁ。
買ったら読書感想文書いてみよう。