お針子 作業部屋

  帰国したお針子です

う〜ん・・・和裁用語満載。

先日納品した訪問着のお直しが戻ってきた。
残念なコトだ。

ひどいシミとヤケのある布地だったので事前に確認していたのだが、
出来上がり後に色ハケに出すと言うコトで、先に仕立てた商品だった。

前々から、他の和裁士たちはクレームせんのか!?と思っていた悉皆屋さんがいるんだけど*1
そこに色ハケに出したらしい。作業の際に表生地だけをガンガン詰めてしまった様子。

1尺3寸5分上がりの袖丈は132分に詰まり*2、身頃は裏に袋*3が入りまくり。
もともと身丈はいっぱいに仕立ててるので、詰まってたとしても裏で袋を取るしか直す道はない。*4

上前の衽にはシミがあり 色ハケされてる為に、身頃だけじゃなく衿もゆるくなってる。
あぁ〜〜〜大直しだぁ〜〜〜〜(TT)


一越でもないのに色ハケで3分詰めてしまって そのまんま納品してきちゃうのって、
ある意味ものスゴイよ?

結局袖は全ポロ。
口布まで詰まってしまってて、一から作り直さなきゃどうにもならん。
まぁどうせ外すからついでに直すけど、袖つけのキセも取れちゃってて
縫い目全開になってるし・・・


呉服屋曰く「請求してもらって構わないから」って、当り前です!
てか、この請求は悉皆屋に回していいと思う。
いつもひどすぎ・・・(TT)

*1:エバの状態から湯のしされて反物状態になってくるんだけど、脇の折れ筋が取れてたコトがない。そんなだから洗い張りの商品なら、袖丸の部分の縫い代は垂直に立つwもう笑うしかない

*2:和裁語で布地が縮むコト。3分は大体1センチくらい

*3:表と裏の釣り合いは、ぴったりもしくは、裏が針の太さ一本分くらいゆるめに仕立てるモノなんだけど、その釣り合いが悪くなって、どちらかがたわむほどゆるくなるコト

*4:どうしても許せないならも一回洗い張りで。ほんとはイロイロ裏技もあるんだけど、自分がミスしたわけでもないのに危ない橋は渡りません