脱力
昨日、ようやく本年一作目を納品した。
(ココに画像を入れたかった!!(TT)詳細は最後で)
なんだかホントに今月はバタバタしてて、思うようにコトが捗らない。
納品予定の日でもあったのだけど歯科検診の日でもあった為に、夕方まず
ムスメを連れてかかりつけに。
15分ほど遅刻してしまったので「コドモの検診だけで良いです」と告げて
別の日に予約をし直す段取りをしてもらおうとしたら、
「急いでやるので大丈夫です」と言われた。
で、「急ぐのでいくつかの検査を抜きますね〜」と普段なら45分かかる定期健診を
30分で済ませてくださったのだけど。
えーと。
歯ぐきの検査と口臭検査を飛ばして、請求はいつもと同じ金額。
ムスメも同じ金額でいつもより10分ほど早かった。キチンとしてもらえたのかどうか不明。
急いでくださったのはありがたいのだけど、ちょっと納得できないモノがありますけど〜〜(^^;
さてその後。職先に納品に行った。
今回の納品は前にも(脚注で)愚痴ってしまった洗い張り。
歴史の刻み込まれた着尺の大島を変わり襟のコートに仕立てると言うモノ。
何故こんなに難産だったかと言うと、単純に尺が足りなかったから。
肩裏は新品の長尺だったので身丈に問題はないのだけど、竪衿部分が足りなくて
アチコチから少しづつ裁ち出して裏側に入るように布を接いで仕立てた。
見積もりを何度もして、分や厘単位のやり繰りをして、千代田衿の長尺コートに。
もとからカツカツの尺しかないのだから、道行衿でイイじゃん!
大島の道行、キレイだよ!ワタシは道行が好きだよ!!
千代田衿はいろいろ面倒なんだよ!!!
と、ココロの中で叫びつつ。
とにかくなんだか予定がいっぱいで、時間がトビトビでしか取れなかったので
折角見積もりしても、鋏を入れる前の再確認でまた鋏が入れられない。
延々そんなコトを繰り返したのは「切ったらおしまい」の恐怖ゆえ。
仕立て屋にしてみれば丈の足りないアチコチ穴だらけの*1洗い張りなんだけど
お客様からすれば「何度も何度も作り直して*2、柔らかくこなれた歴史ある大島」なのだから。
この大島を見て、中学の頃に読んだ短編を思い出した。
段ボール箱に感情があるお話で、その末路なんだけれど。
かなーりエロティシズムを感じる文体でした。誰の短編集だったか忘れちゃったのだけど。
*3
最初はキレイな箱の「ワタシ」が、次々と使いまわされて満たされる。
畳まれて押入れに忘れ去られていたりもするけれど、また表舞台に出るコトが喜びに繋がる。
どんどん汚れ、やぶれ、かつての美しかった「ワタシ」ではなくなり外に出される。
もう満たされるコトはない。
風に飛ばされるか何かで水の中に落ちてしまう。
「カラダ」の隅々を満たす水。歓喜の内にその「生涯」を終える。*4
納品すると、敷紙を開いた途端に担当さんの顔がほころぶ。
「いやー、コレは喜んでもらえるわ。キレイに出来てる。十分十分!」
着物や羽織と違ってコートは作り替えができない。*5
ましてや変わり衿ならその着物の終着点だろう。
もともとかなり使い込まれたモノなのだけど、最後にキレイに作ってあげられてよかった。
さて、その千代田衿のコート。
家を出る前に大急ぎで写メを撮ったハズなんだけど、データが残って無ーい(;;)
柄出しも結構イケテたし、何よりもあの継ぎ接ぎが気にならない仕上がりだったのにー。
「大急ぎで」とか「バタバタして」る時にこそ、キチンとした管理が出来ねばならぬと言うのに・・・
あぁショック。かなーりショック。
しょうがないので前に作った品の画像を添付。
↓コレが千代田衿
「千代田衿って素敵!」とお思いくださったならば、この次のコート新調はぜひ千代田衿に。
(個人的に着物振興活動しておりますw)
ショックを引きずらぬようにまずは買い物に行ってこよう!
帰ってきたら次の仕事に着手だー!