英検の話 5 終わり
日曜。
今日は英検受験した後にニューアークからミシガンに戻る。
もしかして3級は受けなくても良いかも?と思ったけれど、途中で腹痛とかよくある話なので万が一を考えて受験するコトにして、帰りの飛行機の時間を決めた。*1
往路同様に復路も丁度良い時間のフライトはなく、日曜の夜なのに20:50 発と言う微妙なライン。
この便ではミシガンの空港着予定は22:50 で、ウチに着くのは「午前サマやないですよー」って、週末のサラリーマンのイイワケなみの時間。
ムスメは午前に準2級、午後からは3級の受験。
午前の終了と午後の受付の時間が1時間くらいしかないようなので、お昼ご飯をどうするかと思案し、昨日マンハッタンからの帰りにドーナツを買ってきておいた。
二次試験は英語の応答による面接試験。
受験者は一人づつ試験官と面接をするので、同じ等級でも順番によって終わる時間が違う。
朝は昨日と同様にホテルで朝食。
午前の試験は受付時間が10:45からと記されていたのでのんびりと朝食を取っていたのだが、8:30 頃には次々と受験者らしき一団が続々と会場に集まり始めた。
気になってしょうがないので 食事を終えて受付近辺で試験の流れを確認する。
10:45 受付開始のグループは10:45 までに受験者控え室で書類を記入し、試験受付の列に並ぶらしい。
この受付の順番は二次試験の英語応答の面接順なので早く受付をすれば早く終わるというコトのようだ。
日本で受けた経験がないから初めて知った内容だったが、なんかキツネにつままれた気分である。
お昼は別に良いとしても、それやったら帰宅の飛行機、もう一本早いの取れたやん・・・。(;´∀`)
手持無沙汰なオットは「チェックアウトまで部屋でゆっくりしてくるわ」とのコト。
ワタクシとムスメは二人して早めに受付に並び、ギリギリまで部屋でくつろいでいるオット(怒ってません。笑)にチェックアウトを任せる。
受験者は海外赴任者の子女がほとんどであろうと思われる。
準2級では保護者と思しき受験者も稀に混じっていたが、多くは大体小学校高学年くらいまでの学齢の子供だった。
ムスメは現在G11で、かなりおねーちゃんの部類。
他言語習得自体は何歳であっても可能らしいが、思考言語と年齢は切っても切れない重要な関連性がある。
14歳で渡米したムスメについては英語が第二言語だが、小学校低学年で渡米して完全英語環境に身を置いた場合、日本語が第二言語となりうる学齢だ。
言語習得の臨界期は12歳で迎えるらしいコトは前にも書いたが、わかり易く言えば思考する言語を形成することらしく、オット曰く「思考OS」だそう。
ムスメの脳みそには既に日本語OSが搭載されているため、言語の壁を満身創痍で登っているが、日本語OSを基にした英語学習なので日本語が抜けるコトはないし、一度入った英語も抜けにくいそうだ。
反対に、臨界期以前の若年齢であれば、若ければ若いほど搭載OSは変更可能で、しかも必要が無ければ早々に跡かたなく無くなるらしい。
英検会場には小学校低学年くらいの小さなお子さんも2級受験の列にたくさん並んでいたが、低学年になればなるほど日本語で出題される内容の理解が難しいと聞いた。
英語OSを搭載した子供が帰国した後の日本語教育を思うと、コレから英語と日本語を両立して行かねばならないのだなぁとしんどいコトを想像してしまうが、どっちも良いとこ取りで行ってもらいたいものである。
アンティーク物のワタクシ達のカチカチ頭と比ぶべくもないが、若いと言うのは凄い可能性の塊なんだなぁ、としみじみ思った。
午後。
3級受験。
ムスメの周りは小学校低学年くらいの子があふれていて、ひとり巨人状態で居心地悪そうにしていたが、準2級の時の緊張した面持ちはもうなかった。
14:30 受験終了。
後は各自解散。
もう少し終了時間が遅くなると思って18:00以降を探したら20:50の復路便になったので、完全にアテが外れた。
ニューアークまでUberで移動し、最寄フードコートで早めの夕食。
とにかく時間があったので、空港内の3つのターミナルを無料シャトルで全部回った。
17:00頃、ミシガンの友人から「飛行機大丈夫?」とメッセージが来た。
地元の空港が台風並みの悪天候で、キャンセルが相次いでいたらしい。
アメリカンは既に全便キャンセルになっていて、こっとん家は普段アメリカンを使うコトが多いので心配して送ってくれたようす。
今回はユナイテッドだったので「大丈夫、キャンセルになってない」と返事をしたものの、発着便の掲示板を見ると、悪天候によるキャンセルに次ぐキャンセルで、外を見ると確かに風が強く、星条旗がキレイにたなびいていた。
中西部から東はどうも低気圧の影響下にあるようで、NJの天候を調べると強風警報の出ている地域もある。
ドキドキしながらゲート前で待っていたが、しばらくすると復路便に 2hour delay と表示された。
他の航空会社はキャンセル相次ぎ全滅の中、キャンセルしないユナイテッド。
相変わらず星条旗は地面と水平にたなびいているのだろうけれど、既に日暮れで見えなくなった。
22:55
2時間5分遅れでユナイテッドは飛んだ。
離陸からしばらくは非常に揺れたが、雨は降っていなかったので美しい夜景は見えた。
2時間の後。
ミシガンは吹雪いていた。
キャプテンの操縦技術は素晴らしく、雪が真横に吹雪く中で無風晴天のようなランディング。
ありがとう!ユナイテッド!!
往路での「もう二度と乗るか!」の悪態を許してほしい。笑
着陸時は既に午前様 01:50 だったので家に着いたのは 02:30だった。
2泊3日とは思えないほど疲れの溜まった小旅行だったが、英検の合格証明書が無事届いたので、今となったら良い思い出しかない。
や、鼓膜の破れたコトは忘れないけど。
さて、英検のシステムとして以下のコトを忘備しておく。
・下位級が不合格でも上の級が受かっていると合格した級で認定される。
・二次で不合格だった場合(受験しなかった場合を含む)、次回試験の際に受けた年度と試験回を明記した上で申し込めば二次からの受験が可能。
この場合、一次合格したのに再度一次試験を受けると、前回の合格が取り消されるので要注意。
・受験料は一次二次を含めての検定料なので、同じ試験回で二次を受けなくても返金されないし、二次しか受験しない場合でも検定料は同じ金額。
など、今回の英検受験でいろいろと知ることができた。
海外での受験は日本で受けるよりも ちとお高いでございまする。*2
あと、日本語で出題され英語で答える形の英検は、高校の第二言語習得の単位としてJAPANESEが認められる可能性が高い様子。
本人にとって本来の第二言語である英語も覚束ないままで、現地高校の必修科目の第二言語(スパニッシュやフレンチ)を習うのってほぼ無理なんじゃないかと思う。
興味としての勉強ならば他言語習得も良いのだが、獲得点数がGPA(成績表)に即反映するので、第二言語履修済みとして免除が可能ならこのシステムはありがたい。
もし帰国前提の海外赴任を計画されておられるヒトは、日本の学校の成績表(幼稚園以上の全日制の学校に通った公的な記録)を持参されることをお勧めしときます。